
土と炎が生んだ、日本の器。
Story 03 — 陶磁器・茶道具
土と炎が生んだ、日本の器。
Clay and Fire: The Vessels of Japan
中国の天目、朝鮮半島の井戸、美濃の志野、京の楽。茶の湯は、海の向こうの器と国内の器を同じ座敷に並べ、ひとつの美意識で名を与えた。
曜変天目は、天目茶碗のうち最上級とされるものだ。焼き上げる過程で黒釉が変化し、斑紋が生じる。南宋時代の中国で作られたと推定されるが、真作と認められ、かつ完品の曜変天目は日本にある三碗のみで、すべて国宝に指定されている。

雑器から、名碗へ
井戸茶碗は、朝鮮王朝時代前期の朝鮮半島で作られた茶碗の、日本での呼び名である。産地では日常の器として使われたと推測されるが、日本の茶の湯では「わび」にかなうとして珍重され、「一井戸 二楽 三唐津」とうたわれた。大井戸茶碗「喜左衛門」は国宝に指定され、京都・大徳寺孤篷庵に伝わる。
一井戸、二楽、三唐津。
白い釉、手のかたち
志野焼は、安土桃山時代に美濃で焼かれた、白い釉を用いる焼物である。志野茶碗「卯花墻」は国宝に指定されている。楽焼は轆轤を使わず手とへらだけで成形する「手捏ね」で形づくり、低い温度で焼成する。本阿弥光悦の楽茶碗「不二山」も国宝である。

海を渡ってきた器も、この国の土から生まれた器も、茶の湯のなかで同じように見つめられ、名を与えられてきた。土と炎がつくった偶然を、人の眼が必然に変える――日本の器の美しさは、その往復のなかにある。
この記事に登場する作品
出典・参考資料
- [1]曜変天目茶碗
文化庁 国指定文化財等データベース · 公的資料 · 根拠: 指定
- [2]井戸茶碗〈銘喜左衛門/〉
文化庁 国指定文化財等データベース · 公的資料 · 根拠: 指定
- [3]卯花墻
文化庁 国指定文化財等データベース · 公的資料 · 根拠: 指定
- [4]楽焼白片身変茶碗
文化庁 国指定文化財等データベース · 公的資料 · 根拠: 指定
- [5]曜変天目茶碗
Wikipedia(日本語版) · 百科事典
- [6]曜変天目茶碗 (静嘉堂文庫)
Wikipedia(日本語版) · 百科事典
- [7]井戸茶碗
Wikipedia(日本語版) · 百科事典
- [8]志野焼
Wikipedia(日本語版) · 百科事典
- [9]楽焼
Wikipedia(日本語版) · 百科事典
- [10]楽焼白片身変茶碗
Wikipedia(日本語版) · 百科事典
- [11]Shino ware
Wikipedia (English) · 百科事典
- [12]Raku ware
Wikipedia (English) · 百科事典


